デジタル伝送が音質劣化しないわけについて考察してみる。ご存知だと思いますが、デジタルの世界には0かしかない。この2つの数字の組み合わせが様々な情報に対応するわけである。
例えば、CDプレーヤーからMDに光デジタルケーブルを使ってデジタル情報を伝送したとする。仮に伝送後、値が0.9になっていたとしても、1であると推測してくれる。さらに、0という値が伝送後1という値になったとしても、伝送エラーが発生して、情報の間違いがわかるので、音質は劣化しないのである。
一般的にデジタルオーディオはアナログオーディオに比べて音質が高いといわれる。その一要因が伝送中に減衰がないということである。
一方、アナログオーディオでは電圧の強弱をケーブルを使って、伝送するため必ず減衰が起こる。
エジソンの蓄音機の発明以来、1個のマイクロフォン、ひとつの伝送経路、1台のスピーカーを使用してきた。このような1系統の録音・再生をモノラル（正しくはモノフォニックサウンド）と呼ぶ。
それに対して、ひとつの音を2系統以上で録音する方式を、ステレオ（ステレオオフォニックサウンド）という。この系統のことをチャネルと呼ぶが、2系統ならば2チャネルステレオ、4系統ならば4チャネルステレオと呼ぶ。
チャネル数が増すと、それだけ送られる情報量が増大するので、再生される音の質は向上する。1系統のモノラルから2系統のステレオになると、次の点で大きな効果がある。
それぞれをもう少し詳しく見てみる。
ステレオ再生では楽器の配置を音だけで感じ取ることができ、それを音像が定位するという。この現象は、人間の耳が左右にあり、音源から到達する音波が、左右の耳からの距離によって異なることから生じる。異なるのは次の3点である。
以上の3点の差によって、人間は音源の方向を知ることができる。2個のスピーカーで左右以外の中間点を感じることができるのは、左右のスピーカーからの音波が合成され、架空的な音源を現出するからである。
モノラルでは音はスピーカーからのみ出てくるという印象が強いが、ステレオでは部屋が音で満たされ、音に包まれる感じになり、音楽にとって好ましい再生音となる。
臨場感とは、録音の行われた現場に居合わせているような感じのことで、ステレオではこの臨場感がよく出るようになる。
ステレオ録音の場合は、録音現場での反射音の状況が、左右2本のマイクによってある程度立体的に記録されます。臨場感が優れているのはそのためである。
スピーカー、アンプなどに同じ機材を使用しても、ステレオの方が音域の広さ、雑音の量、ひずみの量などで、モノラルの場合よりよくなった感じが受ける。この理由は明確ではありませんが、聴感的には相当の差を感じる。
人間の耳に聞こえる音声信号はそのまま電圧の変化を表す波形のグラフになる（デジタルの凸凹の波形であっても、フーリエ級数的に三角関数の重ね合わせに過ぎない）。ケーブル内を伝わるこの波形は様々な要因を受け、変化する。中でも最も多い変化がへこみで、このへこみを減衰という。そして、実際にへこんだ量のことを減衰量という。
信号にノイズがかぶらないように、ノイズより信号の方が大きくしたほうがよい。しかし、大きくといっても当然限度は存在する。その機械の上限がそうである。上限以上に大きくすると、ペチャとつぶれたようなクリップというものが発生する。つまり、アンプの能力以上の信号はクリップが起こるわけである。クリップとは、信号のつぶれであり、ゆがみを増すことにつながる。
よって、PAシステムの機器の中では、ノイズとクリップの間でコントロールしなければならない。
機器から機器へ、端的にいえば回路から回路へ信号を送るには、必ず2本（最低2本）の線が必要である。プラスとグランド（GND）である。ただし、回路によっては、GNDとマイナスは兼用されていることもある。
そして、音楽の世界ではプラスをホット、マイナスをコールドともいう。
モノラルは、ホットとGNDの2本の線がある。 一方、ステレオは、ホットとコールドとGNDの3本の線がある。
モノラルよりステレオが音がいいのは、コールドの存在が肝である。外部からノイズが機器間接続のケーブルのシールドを突き破って2本の信号線に飛び込んだとする。2本の信号線は、極めて近接しているので、全く同じノイズが乗る。同じノイズなので、2本の信号線であるホットとコールドの間には、ノイズによる電位差は生じない。したがって、バランス入力アンプがあったとしても、差異がないのでノイズ成分が増幅されない、すなわちきれいな音が聴こえるというわけである。これをバランスという。GNDを中心にホットとコールドがやじろべえのようにバランスをとっているところを想像してみると、記憶の対応付けが容易なはずだ。
逆に、モノラルのケーブルは、GNDとホットしかなく、信号はホット側だけしか通らない。したがって、ホット線に飛び込んだノイズは、GNDとの間でノイズによる電位差が生じる。つまり、ノイズも増幅してしまうわけである。これをアンバランスという。
DAWソフトウェアとは、音楽製作が1台で完結するレコーディング用のソフトウェア。ソフトシンセやエフェクターのプラグインを追加することで新しい機能を使うことができる。
| VST | Logic専用 | MAS | RTAS | ReWire | Audio Units | |
| Cubase SX | ○ | |||||
| Logic Pro 6 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
| dp4 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
| SSW7.0 | ○ | |||||
| Pro Tools LE | ○ |
・最大同時入出力数が重要なポイント。マルチマイクで一度に録りたい人は、入力端子が多いモデルが必要となる。
・オーディオインタフェースの中には、搭載されている入出力端子が、家庭用ビデオなどで採用されているピンタイプのみのモデルもある。もし、マイクを直接インタフェースに繋ぎたいならば、フォーン端子やXLR端子が採用されているモデルを選ぶとよい。
・また、モデルによっては、ギターやベースのようなハイインピーダンス仕様の楽器に対応していて、各楽器を最適な状態で録音できるモデルもある。
・ライン録音した音に暖かさを与えてくれるマイクプリアンプが内蔵されているモデルもある。プリアンプを内蔵しているモデルは、アコギやボーカルなど、アコースティック系の繊細なレコーディングなどで効果を発揮してくれるうえに、ギター録音時にもプリアンプ代わりとして太い音が録れるのがメリットである。
・コンデンサマイクには不可欠なファントム電源を搭載し、切り替えて使えるモデルもある。
・例えば、外部のシンセサイザー音源を使って、DAWソフトウェアに打ち込みをしたい場合など、MIDI信号のやり取りをするためにはMIDIインタフェースが必要となる。しかし、オーディオインタフェースの中には、オーディオ端子に加えてMIDI端子も搭載した「オーディオ/MIDIインタフェース」もある。
・オーディオインタフェースは各社から様々なモデルが発売されているが、DAWソフトとの相性の問題で、うまく動作してくれなかったり不具合が起こることがある。各DAWソフトには、奨励のオーディオインタフェースメーカーやOSなどが存在するので、わからないようなら楽器店などでおｙく確認してから購入しよう。また、相性ばっちりのDAWソフトとオーディオインタフェースを同梱したバンドルパックを最初に手にするのも手である。
・接続方法として4つに分類される。
・端子が前面か背面か、ルックスやサイズは自分の好みかなどもチェックする。
・まったくの初心者なら、DJ CONSOLE for Winをお勧めする。
オーディオ機器の電気測定の対象は、主として次の項目である。
・パワーアンプはスピーカーを駆動する電力を供給するのが役目なので、計画通りの出力が出ていなければならない。
・測定器の接続は次のようにする。
・アンプの出力を大きくすると、やがて波形が崩れるところにくる（波形ひずみが発生）が、その出力において出力電圧を読み取り、次の式で求めることができる。
（出力電力）[W]＝（出力電圧）[V]2/8[Ω]
これが最大出力です。周波数は1kHzを使用する。
・接続は上の図と同じ。
・パワーアンプから1W（2.38V/8Ω）を出力し、周波数を変えて出力の変化を読み取る。
・電子電圧計ではdB目盛りがあるので、変化は直接dBで読むことができる。
・結果は、片対数の方眼紙に、横軸は周波数を対数目盛りで、出力の変化は縦軸にdBの値を等間隔目盛りで記入する。1cmを2dBとするのが普通である。
・音の品位を低下させる雑音は、信号に比べてなるべく小さいことが望まれる。
・この性能は次の式で求めることができる。
・ダンピングファクタは、スピーカーの余分な振動を抑圧するうえで欠かせない性能である。
・次の式で計算される。
DF＝（スピーカーインピーダンス）/（アンプ内蔵インピーダンス）
・ひずみ率（高周波ひずみ率、THD：Total Harmonic Distortion）の定義は次のようにされる。
・ひずみ成分は各高調波の合計されたものがあるが、雑音が含まれる場合は、雑音・ひずみ率として区別される。
・同一のケースに2系統以上のアンプが収容されている場合、チャネル間でどの程度に信号が漏れるかということをチャネルセパレーションという。
・クロストークとは、異種入力端子間の漏れである。例えば、CD端子に信号を入力して、入力切替スイッチをチューナーにして漏れ電圧を測定する。計算はチャネルセパレーションと同じである。
・いずれも20Hz〜20kHz間で測定する。
