目次 †
デジタル回路 †
デジタル回路とは、デジタル動作を行う電子回路である。
論理回路とロジック回路 †
- 論理回路
- ロジック回路
- ゲート回路(ゲートIC)を組み合わせて作った回路で、電圧H,Lで論じる場合
ゲート †
ゲート回路(略してゲート)とは論理演算を実際のデバイスで実現したものである。ゲートは次の7種類が存在する。
- 入力される信号の論理を反転させて出力
- 基本の論理演算
- ANDゲート
- ORゲート
- ExORゲート【イクスクルーシブ】
- 基本の論理演算とNOTゲートを組合わせて出力の論理を反転させて出力
- NANDゲート【ナンド】
- NORゲート【ノア】
- ExNORゲート【イクスクルーシブ・ノア】
ゲートICとはこれらのゲートを内蔵しているICである。
特殊なタイプ †
ゲートには、信号の受信および送信を行う回路の構成により、次のようなタイプが存在する。
- シュミット型(タイプ)
- アンバッファ型(タイプ)
- オープンドレイン型(タイプ)
- 出力バッファのPチャネルのドレインが開放されている。
論理回路のスピード †
論理ゲートが入力を受け取って出力を求めるまでに、わずかだが時間がかかる。つまり、入力が変化すると、すぐに出力がそれに合わせて変化をせずに、ほんの一瞬だけ送れて出力が変化するのである。
このような入力が変化してから出力が変化するまでの遅れの時間、即ち論理ゲートの信号が通るのにかかる時間のことを論理遅延(logic delay、または単にdelay)と呼ぶ。
例:74HC00の論理遅延はデータシートに記述されています。
http://hobby_elec.piclist.com/pdf/j_hd74hc00.pdf ◇
74HC00はかなり遅い部類であり、論理遅延は10[ns]程度(1nsは10億分の1秒)である。ちなみに、PCの中に入っているICは早い物で10[ps](1psは1兆分の1秒)になる。
デジタル回路の誤作動とその対策 †
- 出力短絡
- オープンコレクタ型を除き、CMOS ICの出力同士を接続することは、信号の衝突を起こす危険があるので禁止されている。
- ただし、特性の揃っている同一パッケージ内のゲートを繋ぐことは可能である。この場合、出力バッファの駆動力が増す。
- レイアウトのミスで出力をGNDに短絡されてしまうことが考えられる。
- この場合、出力がハイレベルの論理になった場合、電源から出力を通じてGNDラインに多量の電流が流れることになってしまう。
- スロークロック
- 静電破壊
- 電流パスによるデバイス破壊
- システムの中で異なる電源のデバイス同士が接続されていて、それぞれの電源電圧が異なるタイミングでON/OFFされているときには注意が必要である。
- 例えば、ONのデバイスから、OFFのデバイスの入力や出力の保護回路に電流が流れてしまった場合、OFFのデバイスにダメージを与えることがあるからである。
- このようなシステムには、入出力にトレラント機能を備えたものを使うとよい。例えば、74LCXシリーズや74VCXシリーズなどが該当する。
- トレラント機能を持つデバイスであるか否かを見分けるためには、データシートのDC規格内にIOFFという規格が保証されているかどうかをチェックすればよい。
- チャタリング
- ワイヤボンディング
- 半導体メーカーのボンディング工程上の不具合によるもので、ボンディング装置や条件、そして管理の問題である。
- メタライゼーション
- メタルの段切れや写真蝕刻技術の欠陥、IC設計・製造にかかわる半導体メーカーの問題
- ラッチアップ
- メタル腐蝕
- ショート
- MOS FETのゲート酸化膜上のピンホールによるショート
- 過電圧破壊によるショート
- メタルショート
- エレクトロマイグレーション
- ストレスマイグレーション
- ファンアウト
- ノイズ
- 単純なミス
参考文献 †
- 『汎用ロジックIC』
- 『デジタル回路の「しくみ」と「基本」』