ヒューマンインタフェースとは、人と人工物であるシステム(機械・コンピュータ・建築物など)、あるいは人と人のインタラクションを円滑に快適にすることを目的とした考え方であり、機械操作などの際にユーザーと機械の間で情報のやり取りを行うための仕組みである。ユーザーの視点を重視してユーザーインタフェースと呼ぶこともある。
機械や道具を使って仕事を行う場合に、操作性を向上させたり、知的疲労と肉体的疲労をできる限り軽減して、作業効率を高めることが目的である。
システムは単に機能を提供するだけでなく、人の特性を踏まえて適切にデザインすることが重要とされる。つまり、人間中心設計である。特に近年は、Webを中心にヒューマンインタフェース設計が追及されている。
ヒューマンインタフェースは次の3つの段階に分かれている。
それぞれの階層の立場で、人と機械との間に存在する技術的な問題を分析し、その対策を講じていくことが重要である。
ディスプレイ装置の設計上の課題は、人間の視覚特性を考慮し、見やすさや作業時の疲労度の軽減にある。この観点から見ると、主に次の点に注意しなければならない。
これらの問題は、いずれも目の疲労度と密接な関係があり、結果的に作業効率や健康状態に影響してしまう。
キーボード装置は代表的な入力装置である。人間のタイピング作業との関連性の中で考えなければならない。キーボード装置に求められることは、入力速度が速めること、特別な訓練を必要としないこと、文書作成の思考を妨げないことなど、快適な高速な入力の実現である。
入力速度を上げるには、次のようにキーピッチ、キーストローク、キー加重に適切な値を設定するとよい。
また、日本語入力の変換作業については、思考が中断されにくい親指シフトによる日本語音節の直接入力方式も存在する。
機器の小型化が年々進んでいるが、キーボードのサイズは人間の手や指の大きさによって制約を受けるので、基本的に小型化にも限界がある。
視覚的なインタフェースで、ウィンドウ方式の表示、アイコンやメニュー方式のインタフェースが重要である。この場合、これらのアイコンやメニューを直接指し示したり位置を決めるための装置が必要となる。
代表的なものとして、マウス・タブレット・電子ペンなどがある。
誰にでもわかりやすく、使いやすい情報システムを設計するための主なポイントは、表示、機能の提供、操作の3つをわかりやすくすることである。
画面への表示は、次の3点に注意すること。
情報システムの操作はオペレーションの一つ一つの操作は単純であるが、全体としては膨大な量の手続きから成り立っている。ユーザーには特別な訓練やマニュアルを読ませることなく、アプリケーション全体を理解させることが望ましい。
このためには、機能の選択的提供やオペレーションの論理とメンタルモデルの整合などの対策が必要である。
操作には順番に実行したり前の操作に戻ったりするばかりでなく、ときには一連の操作から離れて別系統の操作をした後、元の操作に戻る場合もある。このような一連の複雑な操作をわかりやすくする場合、ユーザーが予測しやすい応答を用意したり、操作手順を簡素化するなどの配慮が必要である。
人間の感性との整合性を高める役割を担い、使いやすさに関わるインタフェース改装である。この階層の要素として、次の機能や工夫が挙げられる。
従来のCUIでは、コンピュータに命令を指示するにはコマンドを覚える必要がある。これを再生形式という。
WYSIWYG(What You See Is What You Get)とは、ディスプレイに表示されるものがプリンタによって印刷されることである。フォントの変更・太字・下線などの装飾を画面ですぐに確認できるということで、ワープロソフトの大半はこれに対応している。
最近は、htmlファイルの作成をエディタでマーク付けしていくのではなく、ワープロ感覚で編集ができるhtmlのことをこう呼ぶこともある。
ハイパーメディア(hyper media)とは、画像・音声・テキストなどの情報を互いに関連付けてできた情報の集合体を指す。ハイパーメディアの概念を用いると、マルチメディアデータのカプセル化が行える。
ハイパーメディアデータベースを作成・活用するために、コンテンツやコンテンツの相互関係を国際標準であるMPEG-7で記述することが一般的である。
人間の協調活動をコンピュータを用いていかに支援するかという研究分野のことをCSCW(Computer-Supported Cooperative Work)という。研究分野は次のように分類できる。
グループウェア(groupware)とは、LANなどのネットワーク環境で情報を共有しながら作業の効率化を求めるソフトのことである。