目次 †
ボイラーの種類 †
ボイラーの付属器および付属装置 †
ボイラーの熱損失 †
- 燃えがら中の未燃分による損失
- 不完全燃焼ガスによる損失
- 排ガス熱による損失
- ボイラー周壁からの放熱損失
- その他の損失
ボイラーの燃料 †
気体燃料 †
液体および固体燃料に比べた場合の特徴 †
- 炭酸ガス（二酸化炭素）の排出量が少ない。
- 気体燃料は、成分中の炭素に対する水素の比率が高いため、同じ熱量を燃焼させた場合、温暖化ガスであるCO2の発生割合は、石炭の約60%、液体燃料の約75である。
- 燃料中の硫黄・窒素分、灰分が少ない。
- 公害防止上有利で、伝熱面・火炉壁を汚染することがほとんどない。
- 燃料費は他の燃料に比べると割高であえり、配管口径が液体燃料に比べると太くなるため、配管費・制御機器費などが高くなる。
- 気体燃料は一旦漏洩すると可燃混合気を作りやすく、爆発しやすい。
- 液化天然ガス（LPG）は密度が大きいため、窪み部等の底部に停滞しやすい。
- 都市ガスは空気よりも軽いため、窪み部などの底部には停滞しない。ただし、梁や壁で囲まれた部分等には溜まる。
固体燃料 †
特殊燃料 †
バガス †
- 製糖工場でサトウキビを圧搾して、糖汁を絞ったかすである。
バーク †
- パルプ工場で原木の皮をむいた際に生ずるものである。
黒液 †
- パルプ製造過程で木片（チップ）を煮沸・溶解し、繊維を分解してパルプとする際に排出される黒色の液体である。
都市じんかい †
- 自治体で運営する清掃工場の焼却炉で燃却され、その発生熱量は発電または自家消費などの熱源として利用されている。
廃タイヤ †
ボイラーによる伝熱 †
- ボイラーにおいて、水管・煙管・炉筒などのように金属面の一面が火気、燃焼ガスなどに接触し、他面が水や熱媒などに接する部分を伝熱面という。
- 伝熱面の大きさ（伝熱面積）がボイラーにおける蒸気または温水の発生能力の大小を表す。
- ボイラーの伝熱量として、放射による伝熱量がその大半を占める。
ボイラーの燃焼 †
- 着火性がよく、燃焼速度が速いと、一定量の燃料を完全燃焼させるのに狭い燃焼室で足りる。
重油燃焼 †
石炭燃焼と較べた場合 †
- 長所
- 重油の発熱量は、石炭より高い。
- 貯蔵中に発熱量の低下や自然発火の恐れがない。
- 運搬や貯蔵管理が容易である。
- ボイラーの負荷変動に対して、応答性が優れている。
- 燃焼操作が容易で、労力を要することが少ない。
- 少ない過剰空気で完全燃焼させることができる。
- 煤【すす】・ダストの発生が少なく、灰処理の処理がない。
- 急着火・急停止の操作が容易である。
- 短所
- 燃焼温度が高いため、ボイラーの局部過熱および炉壁の損傷を起こしやすい。
- 油の漏れ込み、点火操作などに注意しないと、炉内ガス爆発を起こす恐れがある。
- 油の成分によっては、ボイラーを腐食させ、または大気を汚染する。
- バーナーの構造によっては、騒音を発生しやすい。
重油燃焼における低温腐食の防止・対策 †
- 硫黄分の少ない重油を選択する。
- 排ガス中のO2%を下げ、燃焼ガスの露点を下げる。
- 給水温度を上昇させて、エコノマイザの伝熱面の温度を高く保つ。
- 蒸気式の空気予熱器を用いて、ガス式の空気予熱器の伝熱面の温度が低くなり過ぎないようにする。
- 低温伝熱面に耐食材料を使用する。
- 燃焼室および煙道への空気漏入を防止し、煙道ガスの温度低下を防ぐ。
- 添加物を使用し、燃焼ガスの露点を下げる。
気体燃焼 †
気体燃焼の分類 †
拡散燃焼方式 †
- ガスと空気を別々にバーナーに供給し、燃焼させる方式。
- バーナー内に可燃混合気を作らないために、逆火の心配がない。
[例]
◇
予混合燃焼方式 †
- 燃焼ガスに空気を予め混合して燃焼させる方式。
- 安定な可燃を作りやすいが、逆火の危険性がある。
[補講]「予混合燃焼方式」は「予」は「予め」という意味で捉えれば、理解しやすい。 ◇
[例]
- 大容量バーナーには利用されない。
- パイロットバーナー
◇
微粉炭バーナー燃焼 †
- 長所
- 中容量のものから大容量のものまで適用範囲が広い。
- 燃料の単位質量当たりの表面積が大で、空気との接触がよく、少ない過剰空気で高効率の燃焼ができる。
- 使用石炭の幅が広く、低品位炭でも無煙炭でも焚くことができる。
- 燃焼の調節が容易で、負荷の変動に応じやすく、点火および消火に時間を要しない。
- 液体 or 気体燃料との混焼が容易である。
―短所
- 設備費が高い。
- 火格子燃焼に比べ、大きな燃焼室を必要とする。
- フライアッシュ（飛散灰）が多く、集じん装置を必要とする。
ボイラーの一般的手続き †
- 製造許可
- 溶接検査
- 構造検査
- 設置届
- 落成検査
- 検査証交付
- 使用検査
- 性能検査
参考文献 †
