目次 †
考えられる猿が人になった原因 †
- 二足直立歩行
- 二本足で立つことで脳が大きくなるための身体的基礎ができた。四本足の場合は、頭が大きくなってしまうとそれを支えるために首の筋肉を発達させる必要があるからである。つまり、四本足で歩いている限りは頭はあまり大きくすることができないのである。二本足の場合、頭の上に重いものを乗せることができる。これは水瓶を頭の上に乗せて運ぶ人がいることからも理解できるはずである。
- さらに、二足歩行により、手が自由になる。手を使った動作が多くできるようになり脳によい刺激を与えていると考えられる。
- アウストラロピテクスの脳とゴリラの脳を比較すると前者の方が小さい。それなのになぜアウストラロピテクスを人間として認めるのかというと、彼らは二足歩行していたからである。アウストラロピテクスはチンパンジーより前頭葉が少し発達していることもわかっている。
- 言葉を持つ
- 言語というと声を使う音声言語の他に、ジェスチャーで示すボディランゲージ、記号を読み取る記号言語が存在する。この中で音声言語のことを言葉と言い、これが進化に関係しているはずである。
- なぜならば、チンパンジーはボディランゲージと記号言語の2つの能力は持っているが、言葉は持っていないという。アメリカでチンパンジーに一生懸命人間の言葉を教えた実験があった。覚えたのは固有の声である「ママ」「パパ」「カップ」「アップ」の4つだけであった。つまり、チンパンジーには言葉がないことがわかった。
- 一方、ガードナー夫婦という若いアメリカの心理学者は、チンパンジーに手話を教えた。その結果、チンパンジーに簡単な会話ができることがわかった。
- チンパンジーにはきちんと自分の声があって、音声伝達はやっている。また、ニホンザルでも37種類の声を持っている。しかし、これらの声を組み合わせて意味のある文章を作るということはできないという。
- 家族という集団の有無
- チンパンジーやゴリラやヒヒには社会があるが、家族という集団はないという。
- ニホンザルには母親はいるが父親はいない。雌は乱婚で、色々な雄と交わる。そして6ヶ月後に子供を生むことで、雌という生物的な存在が母親という社会的な存在になる。
- テナガザルはどちらか片方が死ぬまで大体一夫一妻である。つまり、子供にも父親がきちんといることになる。しかし、父親を�ー�分の集団を守ること、�∋鵑篁匐，鳳造鮗茲辰討�ること（救済活動）、��子供の保養をすること、と定義付けると、テナガザルであっても家族はないことになる。なぜならば、テナガザルの雄は�，亘�たすが、�△鉢�は満たさないからである。
- 実は猿だけじゃなくて、哺乳類全部の中で家族がないようだ。
猿は死を理解しているか？ †
- 猿は基本的に死ぬと捨てていく。しかしそうでない例もたくさん報告されている。
- 死んだゴリラに他のゴリラが葉っぱをかけていったという話がある。
- 仰向けに寝ていたゴリラの雄が、夜中に黒ヒョウに襲われて喉を食いちぎられたということが起こった。ゴリラの雄はとても子供をかわいがるので、子供は母親よりも雄になつくものであるが、その死んだ雄の傍から子供がずっと離れずにいた。
- チンパンジーは子離れが悪く、4歳までは乳を飲ませる。それで5歳ぐらいになると母親から独立していくが、もしその独立前に母親が死んでしまうと子供は全部死んでしまう。
- 8歳になった青年チンパンジーがいて、母子の仲がとてもよかった。ある日母親が死んでしまったら、その青年チンパンジーは母親の死んだところからじっと動かなかったという。食欲もなくなり、衰えて、結局2ヶ月後ぐらいに死んでしまった。
猿は死の概念をつかんでいるとは考えにくいが、死による悲しみやショックは持っていると観察される。そのあたりのことが宗教の起源を考える上で役に立つかもしれない。
猿と病気 †
- 猿の中ではチンパンジーしかエイズに感染しない。
- よって、エイズの実験動物としてチンパンジーが対象となる。
参考文献 †
- 『驚異の動物七不思議 チンパンジーになぜカギがあけられるのか？』
