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代数方程式の係数が実数の場合

 代数方程式f(x)=0において、係数がすべて実数ならば、いくつかの特別な性質を持つ。

[定理]実係数の代数方程式f(x)=0において、もし\alphaが1つの解であるならば、\bar{\alpha}も解である。
特に実数解であれば、\alpha~=~\bar{\alpha}となる。

[定義]\alpha,\bar{\alpha}がf(x)=0の解であるとき、\alpha\bar{\alpha}共役解であるという。

[定理]実係数の代数方程式f(x)=0の解は、複素数平面上で実軸対称に分布する。
それらすべてを含む最小凸領域は、実軸に関して対称である。

[証明]係数を実数として、f(x)=a_0~x^n~+~a_1~x^{n-1}~+~\cdots~+~a_nとおく。

すると、任意の複素数αに対して、次が成り立つ。

\bar{f(\alpha)}
=\bar{a_0~\alpha^n~+~a_1~\alpha^{n-1}~+~\cdots~+~a_n}
=a_0~\bar{\alpha}^n~+~a_1~\bar{\alpha}^{n-1}~+~\cdots~+~a_n
=f(\bar{\alpha})

よって、「f(α)=0」⇔「f( ̄α)=0」である。

つまり、αと ̄αは同時に解になるか、あるいはどちらも解にならないかのどちらかである。 □

[定理]実係数のn次方程式f(x)=0において、解の個数は重複度も数えるものとすれば、次が成り立つ。
(1)虚数解の個数は偶数(0個を含む)である。
(2)nが偶数ならば、実数解の個数は偶数(0個を含む)である。
(3)nが奇数ならば、実数解の個数は個数である。この場合、少なくとも1つの実数解を持つ。

解と係数の関係

[定理]2次方程式の解と係数の関係
2次方程式ax2+bx+c=0に2つの解をα、βとすれば、次が成り立つ。

  • \alpha~+~\beta~=~-~\frac{b}{a}
  • \alpha~\beta~=~\frac{c}{a}

 n次方程式にもこれと同様の結果が成り立つ。

[定理]n次方程式の解と係数の関係
n次方程式f(x)=a_0~x^n~+~a_1~x^{n-1}~+~\cdots~+~a_nの解を\alpha_1,\alpha_2,~\cdots~,~\alpha_nとすれば、次が成り立つ。

  • \alpha_1~+~\alpha_2~+~\cdots~+~\alpha_n~=~-\frac{a_1}{a_0}
  • \alpha_1~\alpha_2~+~\alpha_2~\alpha_3~+~\cdots~+~\alpha_{n-1}~\alpha_n~=~\frac{a_2}{a_0}
  • \alpha_1~\alpha_2~\cdots~\alpha_n~=~(-1)^n~\frac{a_n}{a_0}

解の重心

[定理]代数方程式f(x)=0の解の重心は、f'(x)=0の解の重心と一致する。
もしf(x)が実係数ならば、その回の重心は実軸上にある。

[証明]f(x)の解をα1,…,αnとすると、解と係数の関係より、次が成り立つ。

\alpha_1~+~\alpha_2~+~\cdots~+~\alpha_n~=~-\frac{a_1}{a_0}

両辺をnで割ると、左辺は解の重心となる。

\frac{\alpha_1~+~\alpha_2~+~\cdots~+~\alpha_n}{n}~=~-\frac{1}{n}~\frac{a_1}{a_0}

また、f'(x)=0の解をβ1,…,βn-1とすると、解と係数の関係より、次が成り立つ。

\beta_1~+~\beta_2~+~\cdots~+~\beta_{n-1}~=~-\frac{(n-1)a_1}{n~a_0} ←(*)

両辺をn-1で割ると、左辺は解の重心となる。

\frac{\beta_1~+~\beta_2~+~\cdots~+~\beta_{n-1}}{n-1}~=~-~\frac{1}{n-1}~\frac{(n-1)a_1}{n~a_0}
\frac{\beta_1~+~\beta_2~+~\cdots~+~\beta_{n-1}}{n-1}~=~-~\frac{1}{n}~\frac{a_1}{a_0} ←(**)

(*)の右辺と(**)の右辺は同じ値なので、両者は一致する。

もし、f(x)が実係数ならば、α1,…,αnは実軸対称に分布しているから、その重心は実軸上にある。 □

参考文献

  • 『ガウス 整数論への道』