目次 †
- 雷とは、上空と地表との電位差から生じる放電現象のことである。
- 放電とは、蓄積された電機が一定量を超えたとき、本来電気を通さない空気などの気体を通過していく現象のことで、自然界で見られる代表的な現象が雷である。
- 雷の通り道となった周囲は2〜3万℃という高温になり、急激な膨張によって真空状態に近くなり、衝撃波が起こる。
- 一方、高温となった場所に冷たい空気が周囲から入ってくることによって起こる振動も発生する。
- この2つの波が、雷鳴となって轟音を響かせるのである。
- 中でも我々にとってお馴染みの雷は、次の4種類ある。
- 上向き
- 下向き
- 正極性
- 雷雲中の正の電荷が地表に誘導された負の電荷と中和する形で起こる放電
- 負極性
- 雷雲中の負の電荷が地表に誘導された正の電荷と中和する形で起こる放電
- 稲妻形になるのは、雷が空中で電気抵抗の少ない場所を探して通るからである。先を急ぐ人が人混みを避けるとき、すいているところを選んで通るのと、雷が稲妻形になる理由は同じである。
- 誘導雷によって家電が故障する可能性がある。
- 雷は知恵の神である女神アテネが発明し、技術の神へパイトスに教えて、ゼウスのために作らせたという。ヘパイトスは、職工のキクロプスと一緒に雷を作った。
- 中国の考え方では、雷は空にある陰の気と陽の気とが衝突して起こるものとしている。
- 中国のある本では、雷の音は陰と陽とが強くこすりあうためであり、稲妻は陰と陽とが衝突しあうためだという。
- パリでは天の火から美しい婦人の頭を守るといって、「ひらい帽」という帽子まで売り出された。
- しかし、教会の牧師たちは強く反対した。雷は神の怒りから発するものなのに、避雷針を使ってその天からの火を抜いてしまうようなことはとんでもないことだというのである。
- 避雷針に賛成する人と反対する人との間で、争いも起きて、避雷針裁判まで起きた。
雷の分類 †
雷の種類は大きく3つに分けられる。
雷の原理 †
雷の原理は次の通りである。
1：通常地面の表面はマイナス電荷を帯びている。地上が蒸して発生した水蒸気が上昇気流に乗って上空へ上がっていく。
2：雷雲が発生し水蒸気は冷えて、マイナスの電気を持った氷の粒になって下のほうに集まる。すると、空気は絶縁体なので、静電誘導により、地面の表面にプラスの電気が集まってくる。
3：条件が満たされると、雷が落ちる。
[補講]空気は絶縁体だから、大量の電気が溜まって、威力の強い雷が一気に落ちる。もし、空気が半導体だったら、電気がちょっと溜まると雷が落ちる。しかし、雷の威力は弱い。 ◇
- 入道雲の中で激しい勢いで空気が上昇する。上昇する気流の速さは最高で秒速30mくらいである（急行電車と同じくらいの速さ）。入道雲のあたまはどんどん高くなって、一万メートル以上にも達する。やがて入道雲の丸い頭の形が崩れ、平らになって、乱れてくる。こうなると、雲の中で稲妻が光り、雷が響くようになる。
- 雷は入道雲の中だけで起こるとは限らない。火山の大爆発のときや、大火事のときにも起こることがある。砂漠でもすごい嵐のときに起こることがある。
雷の原理が判明する前の解釈 †
- 江戸時代の増補版『節用集』【せつようしゅう】のような百科事典でさえ、諸説を広く紹介し、雷の本質や原因については言明を避けている。しかも、挿絵にはシンボリックな雷神の姿が添えてあり、雷が謎の中にあることがうかがえる。
雷と電気の火花の比較 †
フランクリンによる比較 †
フランクリンはライデン瓶による電気の実験の結果をまとめ、雷と電気の火花がよく似ていることを示した。
- 光を出し、その色も似ている。
- 火花と一緒に、パチパチ音を出す。
- 通過した物を壊し、動物に危害を加える。
- 金属を溶かしてしまう。
参考文献 †
- 『子どもたちは象をどう量ったのか？』
- 『エレキテルびっくり記 電気の発見』
