CPUの性能は、バスのビット数とクロック周波数に大きく影響され、MIPSという単位で表される。MIPS（Millions of Instructions Per Second）は、コンピュータが1秒間に何百万回命令を実行できるかを示す単位である。この値が大きいほど、処理速度は速くなる。しかし、コンピュータメーカーごとに命令体系が異なるため、違いメーカー同士のCPUの性能を比較するのは困難である。
よって、x MIPS、使用率y、zステップの場合、1秒間にだけの命令を実行できる。
CPUの平均命令実行時間とは、コンピュータが1命令を実行するのにかかる時間である。平均命令実行時間はMIPS値の逆数である。MIPSの値をaとすると、次の式で求められる。
（平均命令実行時間）[秒]＝1÷a[MIPS]
FLOPSとは、CPUが1秒間に処理できる浮動小数点演算の回数のことである。主にスーパーコンピュータの性能評価に使用される。
命令ミックスとは、よく使用される命令の使用頻度と実行時間を設定して、CPUのMIPS値を求める手法である。
バスとは、コンピュータ内部でデータをやり取りするための信号の通路である。ビット数で表され、この値が大きいほど一度に処理できるデータ量が増える。バスには内部バスと外部バスがある。
コンピュータの動作のタイミングを取るための周期的な信号をクロック信号という。PCではクロックジェネレータによってクロック信号が作られる。この信号の周波数をクロック周波数といい、単位はMHzである。一般にクロック周波数が高いほど処理速度は高くなる。
CPUのコアクロックは、倍速化技術によって外部クロックの数倍になるように設計されている。そのため、外部クロックの速度を高速にすると、それに比例してコアクロックも速くなる。
例：外部クロックを2倍にすると、コアクロックも2倍になる。
1965年に、G・ムーアは次のような経験則を発表した。
[法則]ムーアの法則
集積回路上のトランジスタの数は、18ヶ月ごとに2倍になってきており、今後もそのペースで増え続ける。
厳密にいえば、1チップ上の1mm2内に組み込めるトランジスタの個数は18ヶ月ごとに2倍になる。
マイクロプロセッサにかかるコストは4年ごとに2倍になるというロックの法則から、あまりに投資額が高騰すると従来のペースを維持することが困難になり、ムーアの法則が成り立たなくなっていくと考えられている。ハンス・モラヴェックは、コンピュータの能力はむしろ2年ごとに2倍になると主張している。
しかし、トランジスタの数が2倍になっているとしても、数値計算結果が2倍になると考えることはできない。なぜならば、数値計算をするためのアルゴリズム自体が改良されていっているからです。アルゴリズムが改良されれば収束精度や計算量（複雑度）が低くなる。
例えば、ムーアの法則に仮定の元ではπの数値計算で10億桁が分かるには後30年かかると思われていたが、実際には10年で可能となった。
