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*目次 [#vdb11d89]

#contents


*アンプの種類 [#be68ce47]

**パワーアンプ(メインアンプ) [#ld91f0d7]

・スピーカーを駆動するためのアンプである。

 スピーカーの数Ωという低いインピーダンスに大きな電流を供給する。

・シンプルなタイプではパネルに電源スイッチしか付いていないものさえある。

・メインアンプの構造は簡単だが、大きな電力を消耗する部分であり、巨大な電源トランスや整流用の大容量コンデンサなどが使われている。[[トランジスタ]]の熱を放散させるためのラジエータもある。

・パワーアンプに要求される電気的性能は次のようになる。 

+民生用でも数十Wから数百Wの出力が出せること。
+スピーカーの低いインピーダンスに対して、十分な電流を供給できること。
+扱える信号の周波数範囲が十分に広く、ひずみ、雑音などが少ないこと。
+スピーカーに対して電磁制動がかけられるように、出力インピーダンスが低いこと。
+聴感的によい音という評価が得られること。

・パワーアンプは、以上の要求に対して、大型のトランジスタまたはFETを数多く使用し、性能を上げるためにプッシュプル回路(PP回路)、ネガティブフィードバック回路(NFB回路)などの回路技術を使用する。

・持ってみるとズッシリと重く手応えを感じるので、中には重さをメインアンプの性能を判断する基準のひとつにしている人もいるが、これは間違いである。重さよりも中身が重要なのは言うまでもない。


**コントロールアンプ(プリアンプ) [#i374a8cc]

・スピーカーを駆動するにはメインアンプさえあればよいが、[[マイクロフォン]]や[[レコードプレイヤー]]から入力される信号のレベルは、メインアンプの要求するレベルに比べて非常に小さいので、これらの装置に対応できるようにするには、さらにプリアンプが必要である。

・[[CDプレイヤー]]・[[テープデッキ]]・[[チューナー]]などのソース(音楽信号源)の選択や、ボリューム・バランス・トーンなどの調整を行う。

・プリアンプの役割は弱い入力信号を一定レベルまで拡大して、メインアンプなどに送ることである。送り先にはテープデッキの録音端子なども含まれる。

 その過程で、例えばレコードプレイヤーからの信号は拡大するだけでなく、RIAAイコライザーという回路を通して、周波数特性をフラットに復元する。また、マイクロフォンのように非常に出力レベルの低い装置に対しては、特別に大きな増幅度を持つアンプを経由して拡大する。

 よって、テープデッキのライン入力に繋いで録音できる電圧レベルと周波数特性にそろえるのがプリアンプの仕事といえる。

・接続される入力装置には様々な種類があり、その中でどのソースを選択するかというスイッチングや、ミキシングもプリアンプの機能である。

・コントロールアンプに要求される電気的性能は次のようになる。 

+各種の切替、調整が円滑に行われ、操作が容易なこと。
+必要な音域において周波数特性がよいこと。
+ひずみ、雑音が少ないこと。
+出力インピーダンスが高すぎないこと。
+フォノ入力からの低レベルの信号を増幅し、正確な等化を行うこと。--これはイコライザアンプの役目。
+音がよいこと。

・EQアンプ(イコライザアンプ)は、LPプレイヤーからのカートリッジ出力をCDプレイヤー・テープデッキ・チューナーなどの高出力(約150mV程度)と同じ程度まで増幅すると同時に、LPに録音されている「高音増強-低音減衰」の特性(RIAA録音特性)を元の平坦な特性に戻す等化(イコライジング)の役目を果たす。

・RIAAの特性は世界共通であり、どの国のLPレコードでも再生できる。このEQアンプに要求される性能は次の2点です。 

+RIAAの特性曲線に忠実に等化すること。
+雑音、ひずみが少なく、音がよいこと。

・一般にピックアップのカートリッジの出力は0.25〜2.5mV程度と小さいので、アンプのSN比がよくないと雑音の多い音になり、音の質が低下する。そのため、このEQアンプには可能な限りの高いSN比が要求される。 

・入力セレクタ(ファンクションスイッチ)とは、ソース(信号源)を選別するスイッチで、各入力をここで切り替えるが、ここにはほぼ同じ程度の大きさの信号が入ってくる。 

 AUX【エーユーエックス】は、「auxiliary」(補助)の略。 

・音量調整(ボリュームコントロール)で、入力信号を適当な大きさに調整する。

 ステレオでは左右を一緒に動かす2連ボリュームを使用する。VRという記号は可変抵抗器(バリアブルレジスタ)の略である。 

・バランス調整のボリュームで、ボーカルの位置を中央に定位させるなど、左右の音量のバランスを調節する。 

・音質調整(トーンコントロール)で、高音(TREBLE)、低音(BASS)を増減することによって、音楽のトーンを調整する。 

 この部分はボリュームから出た信号を、パワーアンプに適したレベルまで増幅する役目もあるので、フラットアンプと呼ばれることもある。

・録音出力(通常「REC-OUT」と表示されている)は、テープデッキに対する信号送出端子である。 

 入力セレクタの出力から出し、ボリュームは通らない。 

・テープモニターは、テープデッキの出力を聴くときに使用する入力端子である。テープ録音の進行を監視(モニター)する目的で使用するものであるが、通常のテープ演奏でも使用する。 

 テープ出力のみが入力セレクタに入っていないのは、この出力がテープデッキの入力に渡されるとハウリングを起こすのを防ぐためである。

・古い機種では音量調整(トーンコントロール)が付いているものが多かったが、最近ではグラフィックイコライザーがそれに取って代わっている。しかしながら、よい音楽ソースにはいずれも必要がない。

・プリアンプの構成例は次の通りである。

#img(http://security2600.sakura.ne.jp/main2/image3/puri.jpg)
#img(,clear)


**デバイディングアンプ(チャネルデバイダ) [#j976e463]

・スピーカーに渡す信号を、パワーアンプの前で周波数によって分割し、各スピーカーに1台ずつパワーアンプを使用する方法をマルチアンプ方式という。

・この分割に使用するアンプをデバイディングアンプ(分割アンプ、チャネルデバイダ)と呼ぶ。

・デバイディングアンプの内部は、コンデンサと抵抗によって構成されるCRフィルタと増幅度1のアンプで構成される。 

・フィルタの特性は、LCネットワークと同様であるが、素子の数が多くなってもあまり高価にならないので、12dB/oct型の他に18dB/oct型、24dB/oct型なども製造されている。 

・パワーアンプとスピーカーの間にコイル、コンデンサが入らないので、スピーカーは最良の条件で動作することになる。 

・クロスオーバー周波数の変更が容易で最適な分割が可能となる。 

・パワーアンプが多数必要になるという短所がある。 

・高級なシステム、業務用装置に使用される。 

・なお、マルチアンプ方式で、パワーアンプが2台の場合はバイアンプ方式と呼ぶこともある。


**グラフィックイコライザ [#l89099f4]

・20Hz〜20kHzの帯域を1オクターブ飛びに10分割、あるいは1/3オクターブ飛びごとに31分割し、希望する周波数付近を上昇・下降させて周波数特性を調整する機器である。 

・このアンプは、調整しない周波数の増幅度は1で、通常コントロールアンプとパワーアンプの間に入れる。 

・グラフィックという名称は、スライドボリュームツマミの位置の横のラインが周波数特性のグラフを連想させるところから来ている。 

・再生での使用目的は、スピーカーを設置したときに生ずる。定在波などによる特性の乱れを補正することである


**ヘッドアンプ [#u13ee2c9]

・コントロールアンプの中にあるEQアンプは、通常ムービングマグネット型(MM型)カートリッジの出力電圧(約2.5mV)を扱うのに適当な増幅度に設計されています。 

・それに対してムービングコイル型(MC型)カートリッジは、出力電圧がMM型の1/10程度と低いものが多いので、EQアンプに入れる前にあらかじめ20dB程度増幅する。そのためのアンプがヘッドアンプで、コントロールアンプに内蔵されているものもあれば、別々に用意するものもある。


*プリメインアンプとセパレートアンプ [#bd35fbf7]

 パワーアンプとコントロールアンプは性格が異なるので、基本的には別々のケースに入れることが望ましい。しかし、実用的には一緒になっている方が場所を取らず、扱いやすいものである。そこで同一ケースに両者を組み込んだものをプリメインアンプ(インテグレーテッドアンプ)で、別々のものはセパレートアンプと呼ぶ。

 さらに、チューナーを組み込んで、パワーアンプ、コントロールアンプ、チューナーが一体となったものをレシーバーと呼ばれるが、日本では多くない。セパレートアンプは高級品に多い。 

 なお、スピーカー、アンプ、プレイヤーなどを総称してコンポーネントと呼ぶ。 

 システムコンポーネント(シスコン)は、メーカーが同程度の規模のコンポーネントをバランスよく取り揃えて一式としたものである。家庭用として扱いやすいのが特長である。


*アンプの定格 [#xf399343]

**最大出力 [#x684466c]

 ''最大出力''とは、文字通りそのアンプから取り出せる最大の出力電力のことである。アンプの定格としてよく最大出力が用いられるが、これはあくまで電力値であって、ひずみの有無はまったく考慮されていない。つまり、最大にひずませたときの出力電力というわけである。アンプを音楽に利用するならば、この最大出力は何ら目安にならないことがわかる。


**無ひずみ最大出力 [#a0980859]

 ''無ひずみ最大出力''は、入力された[[正弦波]]の形がほどんど崩れない範囲での最大出力なので、この値までは安心して聴くことができる。そして、この値は連続して出力できることが前提で安心している。


**瞬間無ひずみ最大出力(ミュージックパワー) [#aa558ad7]

 連続して大きな出力を得るには電源に負担がかかり電圧が低下するが、瞬間ならば低下しないうちに大きな出力を取り出せることができる。よって、この値は連続した無ひずみ最大出力に比べると大きい。そのため、メーカーはかつてこの値を盛んに表示したがっていたものである。

 音楽の信号はピークが連続することはほとんどなく、その点のおいてこの値はある程度意味がある。ただし、実際の信号は大きい音が連続した上で「ドドド」とピークが来ることが多いので、そうすると電圧が少し下がってからピークを迎えることになる。


*アンプの振動対策 [#r047ec4b]

 [[プリアンプ]]の中には非常に増幅度の大きい部分があり、音量を上げたまま回路の基板を爪先で叩くと「コンコン」という音が入る場合がある。これは真空管におけるマイクロフォニック・ノイズと同じであり、音を濁らせてしまう原因になる。そのような回路の入力に繋がるケーブルも、同様に叩くと音が入ることがあり、しっかり固定しておくとよい。メーカーでは対策として、基板をプラスチックなどで固定したり、ケースが外部の音を受けて振動しないように穴をたくさんあけたりしている。

 振動対策のしていないアンプを使っている方は振動対策のしているアンプに乗り換えたいと思っているかもしれないが、購入の前にちょっとしたテストを試してみるとよい。普段聴いているボリューム位置で爪先で叩いて、音が入るか否かを確認する。ケースを開ける自信がない場合は、ケースを軽く叩くのもひとつの方法である。メインアンプでは通常増幅度をあまり大きく取っていないので、初段のトランジスタを弾いたぐらいではほとんどスピーカーから音は出ないだろう。もし音が入らなければ、特に買い替えは必要ないと言える。


*参考文献 [#lfa9956a]

-『わかりやすいオーディオの基礎知識』
-『オーディオ常識のウソ・マコト』
-『雑学3分間ビジュアル図解シリーズ 電子』