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  • はんだ へ行く。

*目次 [#z62c3f41]

#contents


*はんだ [#ie851fc1]

-[[鉛]]と[[錫]]の[[合金]]。
-80℃で溶融するので、[[はんだ付け]]に使用される。
-ローマの遺跡から西暦300年頃のものと思われるはんだ(錫-鉛系合金)が発掘されている。
-日本では奈良の大仏や正倉院御物に見ることができる。
--よって、ろう付けやはんだ付けは少なくとも8世紀には仏像や装飾工芸品の製作に盛んに使用されていたと考えられる。
-100均のでもいいが、パーツ屋さんで買うと割安。
-1kg売りとかはコストパフォーマンスがよいが、使い切れないので、300円前後で電子工作用として売られているものでOK。
-JISでははんだを亜鉛・鉄・アルミニウム・砒素・カドミニウムなどの不純物の含有量からE級・A級・B級の等級に分けている。
-日常使うはんだ(糸はんだ)を切断すると、その断面に黄色に見えるものがある。これが[[フラックス]]としての[[松脂]]である。このようなはんだを''やに入りはんだ''という。
--松脂の成分である[[アビエチン酸]]がフラックスの作用を示すが、これだけではフラックスとしての活性が弱いので通常は活性を高めるために少量の活性剤(アクティベータ)が添加される。例えば、活性剤として[[アニリン塩酸塩]]、[[ヒドラジン塩酸塩]]、[[臭化シチルピリジン]]などの有機ハロゲン化合物が用いられる。
-[[金]]の融点が1,063℃と高い温度であるにもかかわらず、融点が180℃そこそこの半田に食われる(溶解する)ように見える。しかし、本当は金が溶解(融解)するのではなく、金が溶融はんだの中へ溶ける反応であり、液体に固体が溶ける溶解反応と同じである。
--例えば、熱湯に食塩を溶かせば飽和濃度(ここでは100℃で39.1g/100g・水)になるまで溶け続けるが、半田付けの場合は熱湯に相当するものが溶けた半田であり、食塩に相当するものが金であると考えて問題ない。
-同一組成の半田では融点が等しいので、それぞれの箇所を別々に半田付けすることができない。その場合はそれぞれの半田付けに融点の異なる半田を用いて、融点の高い半田から順に用いて半田付けする。この方法を''ステップ半田付け''という。


*ハンダは接着剤か? [#he0c77e5]

-『ハンダづけの達人』によれば、「ハンダ自体は金属同士を接着させる接着剤ではありません。接着剤、いわゆるボンド類は、接着したいものの表面にある微細に凸凹に浸透して固まることで、素材動詞をしがみつかせるように固定するものである。しかし、ハンダ自体には、ボンドのような接着性はなく、溶けたハンダが冷えて固まるときに接触している固体金属の表面の微細な凹凸にしがみつくことで接合させているのではないのです」とある。
--『ハンダづけの達人』[2008]P.7
-『接着の科学』によれば、ハンダも接着剤の一種としている。
--『接着の科学』P.135

*ハンダの正体 [#q2c531c6]

-[[電子工作]]に使われるハンダは、一般的に[[錫]]【すず】と[[鉛]]の合金である。
-はんだ付けはその原理上、接合したい固体金属より低い温度で溶ける合金が必要となる。この目的に合致するよに調整された合金がハンダである。
--錫の融点は摂氏約327度、鉛の融点は摂氏約232度であるが、錫62.7%、鉛37.4%nの割合のハンダは、融点が摂氏約183になる。
--錫の融点は摂氏約327度、鉛の融点は摂氏約232度であるが、錫62.7%、鉛37.3%nの割合のハンダは、融点が摂氏約183になる。
--このようにはんだ付けに最適な割合で調整されたハンダを''共結ハンダ''という。
-はんだ付けは化学変化による原子レベルでの結合力を生み出すため、固体金属の表面温度を、接合に使う金属が溶ける温度にまで高めなければならない。
--ここで融点の高い金属を使ってしまうと、金属を溶かす作業が難しくなるし、固定金属が熱膨張で変形したり、電子工作では電子部品自体を熱で破損してしまう可能性が高くなる。




*買うときの注意 [#d08711b3]

-いろいろあるのですが、いわゆる普通のでよい。
-ヤニ(フラックス)入りがよい。断面をカッターなどで切って見てみると、中心に1本のフラックスチューブが入っていることを肉眼で確認できる。
-直径が細い方がよい。
--例:1mm前後。


**フラックスの役割 [#mc76a389]

-洗浄
--フラックスは[[はんだごて]]で熱せられると融けて活性化し、化学的作用によって金属表面の酸化膜や汚れを除去する。
--酸化膜の除去ができなければ、はんだをのせてもすぐ取れてしまう。
-濡れ促進
--はんだの粘りを弱くして、はんだの濡れ(流れ・広がり)をよくする。
--フラックスを含まないはんだは、ベタベタで広がらず玉になってしまう。
-酸化防止
--はんだごてをあてている間、金属の表面を覆い金属の再酸化を防ぐ。
--はんだが広がる前に酸化してしまうと、はんだはくっつかない。

[補講]初心者はよくはんだをはんだごてに直接付けて融かすことがあるが、これでははんだ付けにはならない。フラックスが上記の3つの働きをする間もなく蒸発してしまい、無くなってしまうからである。


*はんだの種類 [#b6d62ee8]

 ろうとして使われるはんだは、[[すず]](Sn)と[[鉛]](Pb)の[[合金]]である。それぞれ単体ではすずが232℃、鉛が327℃にならないと溶けないが、合金のはんだは183℃という低い温度で溶ける特徴がある。

 はんだには、すず(Sn)と鉛(Pb)の比率により様々な種類が存在する。JIS規格では、すずの比率が60%のとき、H60と表記する。

 電子工作に使うのは、H60前後のH50,55,60,63が多い。基板関係のハンダ付けには、H60が適当である。


**一般のはんだ [#zdf1f843]

-電子工作用としてホームセンターなどでも売られている一般のはんだ
-Snが60%(H60)のヤニ入りはんだ
-リール巻きのものをひとつ買っておけば、だいぶ持つ。 
-太さも多数ありますが、 1mmφぐらいが扱いやすい。
-このはんだを耳の近くで折り曲げると、「すず鳴り」と呼ばれる音を出す。
--これは、すずの結晶の配列が壊れる音である。つまり、すずの原子の結晶面が互いにずれたときの音ということである。

**ヤニ入りハンダ [#wf5df9d8]

-[[松ヤニ]]の成分が含まれている。
--この松ヤニはフラックスとも呼ばれ、糸ハンダ中心部分に封入されている。
-ホビーとしての電子工作に最も適しているのは、錫60%程度配合のヤニ入りハンダである。
-ハンダ付け作業を行うと、ハンダを溶かした瞬間に白い煙が出るが、これはフラックスが蒸発したものである。
-通常、電子工作ではヤニ入りハンダを使用するので、特別フラックスを意識することはないが、非常に精密なハンダ付けをするときや、ハンダが乗りにくい素材をハンダ付けする場合には、ベット液体のフラックスを塗布してからハンダ付けを行うこともある。
--液体のフラックスには、強力な界面活性剤が含まれており、若干の腐食性があるため、液体フラックスを塗布してハンダ付けを行った後は、専用のフラックス洗浄剤を使ってフラックスを拭き取る必要がある。

**共晶はんだ [#kff82f96]

-Sn=61.9%のとき、融点は最低の183℃になります。これが共晶ハンダである。 
-H63(なぜか 63)がこれにあたり、実際共晶ハンダの名で売っている。
-温度が、183℃になれば完全に液体になる。ゼリー状の半融解状態が無いため流動性が高く、サラサラしているので、小さな部分や込み入った部分のはんだづけも楽である。 
-温度が下がれば即座に固体化するので、ハンダが固まるまでリード線を支えていたらやけどした、という事態も減る。共晶ハンダでないはんだは完全に固まるまで少々時間がかかるので、それまでの間、部品を手などで固定していなければならないが、その間に部品に熱が伝わり熱い思いをする。ヒートクリップを使えばよいのだが。
-組成の不均一が起こらない。すると機械的な強度も上がる。
--Sn=61.9% 付近では、せん断強さ、引張り強さ、対衝撃性が高い。また、伸びが少ないことも特徴である。 
-食われの防止などの様々な用途に対応するために、すずと鉛以外の金属を数%程度混入したはんだも存在する。


**銅入りはんだ [#gfac41d5]

-磁気ヘッドの導線、スピーカーのボイスコイルであるような極細線のハンダ付けに使う。 
-極細線だと、食われにより本来の銅線がなくなってしまう。そこでハンダ側にあらかじめ銅を添加しておき、はんだ食われを少なくしてやったのが銅入りはんだである。


**銀入りはんだ [#s24f9faa]

-銀メッキされた部品や銀電極の部品のはんだ付けに用いる。 
-銀メッキされた部品をハンダ付けする際に、[[銀]]が溶けだすのを防止するために、微量の銀を配合した銀入りハンダも存在する。
-銀は電気伝導率が高いので、銀入りハンダは電気抵抗が低いと思われ、銀入りハンダで[[オーディオ機器]]を作ると音がよいと言われているが、銀入りハンダが使われる意図は銀メッキを浸食しないためであり、音質改善のためではない。

**鉛レスはんだ [#dfdc2421]

-=無鉛はんだ
-はんだ中の鉛の毒性、とりわけ廃棄電子機器から環境への溶出が問題になっており、産業界で注目されている。鉛分をなくし、鉛以外の金属を使ったのが鉛ゼロハンダである。
-近年、環境保護の観点から無鉛ハンダが普及している。
-鉛の環境や人体への環境を排除するために、鉛を使わず錫・銀・銅で構成されている。
-一般的な有鉛のハンダに比べて融点が高いため、ハンダ付けをするにはワット数の大きなハンダごてが必要となり、それだけハンダ付け作業が難しくなる。
-溶けたハンダが適切な結合力を発揮する温度帯の幅が狭いため、コテ先の温度を厳密に管理しなければならず、一般的なハンダに比べてハンダ付けを失敗する可能性が高くなる。
-一般的な有鉛ハンダでも、直接食べてしまうという極端なことでもしない限り、健康に影響が出るほどの鉛成分を摂取する可能性は低い。

**合系はんだ [#z6f4db51]

-電子工業に特有なはんだ。
-主に[[半導体]]の接合や[[マイクロソルダリング]](微笑はんだ付け)用のはんだとして用いられる。
-[[金]]の融点は1,063℃であり、単体としてははんだとして使用できない。しかし、金は[[錫]]【すず】、[[シリコン]]、[[ゲルマニウム]]、[[アンチモン]]などと280〜350℃の低い融点を持つ合金を作るので、はんだとして使用できるようになる。
-金系はんだはすぐれた特性を持つが、高価であるために使用範囲が限定されてくる。そのため、特に信頼性が要求される接合部に使われる。

**低温はんだ [#u434ee31]

-低温はんだと称されるはんだには2つの意味がある。
--1つは半導体や電子部品の温度特性から、低い温度ではんだ付けしなければならない場合やステップはんだ付けなどに用いられる。
--もう1つははんだ付けされた部材が極低温の環境にさらされてももろくならないような「低温に耐えられるはんだ」である。


*参考文献 [#wceb34f7]

-『はんだ付のおはなし』
-『サイエンスシアターシリーズ原子・分子編ぁ仝蚤痢畄訃修寮こΑ.潺腑Ε丱鵑らゼオライトまで』
-『ハンダの達人』