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  • 隠文式暗号 へ行く。

*目次 [#nb4e124a]

#contents

*宣伝 [#i6b86549]

 当サイトにおける暗号に関するページでは、説明が足りなかったり、誤った記述をしていたりするところがあります。今後、少しずつ修正する予定です。~

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*隠文式暗号の例 [#je3addd5]

**例1 [#ecb4f759]

 江戸中期の学者塙保己一【はなわほきのいち】がまとめた本に『群書類従』【ぐんしょるいじょう】というのがある。この中に『後奈良院御選何曽』【ごならいんごせんなぞ】には、次のようななぞなぞが載っている。

>「上を見れば下にあり、下を見れば上にあり、母の腹を通って子の肩にあり」

 ちょっと考えてもらいたい。このなぞなぞの答えは「一」である。

 例えを使ったり、遠まわしにいうこといによって、本当の意味をすぐにわからなくする隠文式の例は、子供の好きななぞなぞやとんち物語の中に面白いものが多い。


**例2 [#o002cd22]

 昔、九州の細川藩のある殿様は、さくらの季節になると、家来たちを連れて花見をすることにしていた。

 ある年、細川の殿様の奥方から、八代【やつしろ】の殿様の奥方に花見の招待状が届いたが、それによると、当日の着物について、振袖は「地色はやけ柱色、模様はめくらの芝居見物です」とあった。その意味を相談された八代の殿様は、「柱が焼けると黒くなるから、やけ柱色は黒のこと。めくらは芝居を見ても、目の先はまっくらだから、同じく黒。だから、これは黒い地に黒い模様というなぞだ」と得意そうに答えられた。

 ところが、奥方がどうしても腑に落ちないような顔をしておられるので、八代の殿様は彦一を呼んで聞いてみることにした。殿様の答えを聞いた彦一は、ふき出してしまった。殿様の答えは言葉通りで、なぞの答えになってないし、それに真っ黒な振袖を着て花見をするなどということは聞いたこともないからである。結局、彦一のとんちによって、奥方は恥をかかないですむが、その解き明かしはこうであった。

「やけ柱とは、もえぎのことだろうから、やけ柱色とは、もえぎ色(青と黄の中間色)のことである。めくらの芝居見物とは、菊の模様である。なぜなら、めくらが芝居見物にいっても、何も見えないから、ただ聞く(菊)ばかりとなる」

 この話のように、ある種の隠文式が相手の知恵試し(解読の能力を試すこと)に使われることは多い。


**例3 [#e936603a]

 ペルシアのダレイオス一世が、黒海北部のスキタイ遠征をしたときの話である。逃げては引き返して戦うという戦法を取るスキタイ軍に、ペルシア軍は手を焼いていた。

 あるとき、スキタイ王の使者がダレイオスのところへやってきて、鳥とネズミとカエルと5本の矢を贈り物にした。その贈り物の意味を尋ねると、使者はもしペルシア人に知恵があるならば、自らそれを解読すればよかろうといって去った。

 そこで、ペルシア人はその意味について評定を始めた。ダレイオスは、この贈り物は「武器を捨てて国土を献ずる、即ち降伏する」ということであろうといった。

 しかし、ダレイオスの解読はものの見事にはずれていた。スキタイ軍は、一向に戦をやめようとしなかったのである。この贈り物の本当の意味は、次のようなものであった。

「ペルシア人よ、もし汝ら鳥となって天かけるか、ネズミとなって地下へ潜るか、あるいはカエルとなって湖へ飛び込むかしなければ、これらの矢に射られて帰国できなくなるであろう」


**例4 [#l8fd624f]

 [[『万葉集』]]は、漢字を使って書かれた歌集だが、次のものはその読み方の面白い例である。

-向南=きた(北)
-重二、二二=し(二掛ける二は四)
-二五=とお(二掛ける五は十)
-味試=なむ(味をみることは、なめること)

 こういったものも、慣れてしまうまでは隠文式の暗号の特殊な例といえる。


**例5 [#a74497f0]

 [[『日本書紀』]]の雄略天皇の部分にも、韻文指揮が朝鮮で使われた話が載っている。

 日本軍が攻めてくることを恐れた新羅と高句麗の2つの国は、そのような事態が起きた場合は力を合わせて防ぐことにしていた。ところが、新羅の王は高句麗から来ている兵士は信用できないと聞くと、「家の中に買っている雄の鶏を殺せ」と国中に命じた。

 これは、「高句麗人を殺せ」という意味の暗号であった。「鶏」がなぜ「高句麗人」をさすのかということは色々な説がある。彼らが髪に2本の鳥の羽をさしていたこと、あるいは新羅の「鶏」という話し言葉と高句麗の「兵士」という話し言葉の音がよく似ていたことなどが挙げられる。


*参考文献 [#cc259b57]

-『暗号の秘密』