*目次 [#n4411e1c]

#contents


*左剰余類・右剰余類 [#ad4e319b]

#divid(s,thorem)
[定義]G:群、H:Gの部分群、a∈Gとする。~
[定義]G:群、H:Gの[[部分群]]、a∈Gとする。~
aH:={ah|h∈H}~
Ha:={ha|h∈H}
#divid(e,thorem)

#divid(s,thorem)
[定義]左剰余類・右剰余類~
G:群、H:Gの部分群、a∈Gとする。~
このとき、Hを法としてaと左合同であるGの元全体の集合を、''aのHを法とする左剰余類(Hの左剰余類)''という。~
また、Hを法としてaと右合同であるGの元全体の集合を、''aのHを法とする右剰余類(Hの右剰余類)''という。~
#divid(e,thorem)

#divid(s,notice)
[例]&mimetex("G=\mathbb{Z}_4=\{ \bar{0}, \bar{1}, \bar{2}, \bar{3}\}");、&mimetex("H=<\bar{2}>=\{ \bar{0}, \bar{2}\}");(位数2の巡回部分群)とする。

このとき、GがHを法として、どのように分類されるか調べる。

|Gの要素|aH|h
|&mimetex("\bar{0}");|&mimetex("\in \bar{0} + H = \{ \bar{0}, \bar{2} \} = H");|
|&mimetex("\bar{1}");|&mimetex("\in \bar{1} + H = \{ \bar{1}, \bar{3} \} = \bar{1} + H");|
|&mimetex("\bar{2}");|&mimetex("\in \bar{2} + H = \{ \bar{2}, \bar{0} \} = H");|
|&mimetex("\bar{3}");|&mimetex("\in \bar{3} + H = \{ \bar{3}, \bar{1} \} = \bar{1} + H");|

以上から、&mimetex("a = \bar{0}, \bar{2}");のときのaHは&mimetex("H");であり、&mimetex("a = \bar{1},\bar{3}");のときのaHは&mimetex("\bar{1} + H");である。~
例えば、&mimetex("a = \bar{0}");のとき、&mimetex("aH = \{ \bar{0}, \bar{2} \}");より、|aH|=2で、|H|=|aH|を満たしている。

よって、&mimetex("G=H \cup (\bar{1} + H),H \cap (\bar{1} + H) = \phi");

また、|G|=4、|H|=2、|G:H|((aHの集合の濃度、即ちHの左剰余類の集合の濃度を意味する。))=2であり、|H|=|G:H|が成り立つ。つまり、Hを法とした左剰余類の集合の濃度とHの集合の濃度が一致している。

さらに、|G|=|G:H|・|H|が成り立つ。 ◇
#divid(e,notice)

#divid(s,notice)
[例]加法群&mimetex("\mathbb{Z}_{12} \ge H = <\bar{2}> = \{ \bar{0}, \bar{2}, \bar{4},\bar{6},\bar{8},\bar{10}\}");とする。

「(Hを法とする左剰余類の集合)=(aHの集合)={H, 1+H}」であるから、|ZSUB{12};:H|=2

また、|G|=12、|H|=6より、|G|=|G:H||H|が成り立っている([[ラグランジュの定理]]が成立していることを示す一例)。
#divid(e,notice)


#divid(s,thorem)
[定理]G:群、H:Gの部分群とする。~
このとき、|H|=|aH|
#divid(e,thorem)

#divid(s,proof)
[証明]Hの任意の元h,h'に対して、「h=h'」⇔「ah=ah'」が成り立つ。

よって、部分群の集合Hの元hに対して、左剰余類の集合の元aHが対応することは左剰余の定義からいえる。また、Hの中で一致する元のときは、aHの中で対応する元も一致する。よって、全単射になる。

したがって、|H|=|aH| □
#divid(e,proof)


 次の定理は「集合の濃度」であることに注意すること。「Hの左剰余類の集合の濃度」とは「aHの集合の濃度」を意味する。

#divid(s,thorem)
[定理]G:群、H:Gの部分群とする。~
このとき、「Hの左剰余類の集合の濃度」と「Hの右剰余類の集合の濃度」は一致する。
#divid(e,thorem)

#divid(s,proof)
[証明]&mimetex("\forall a,b \in G, aH=bH");が成り立つ。
&mimetex("\forall a,b \in G, aH=bH");~
&mimetex("\Longleftrightarrow a^{-1}b \in H");~
&mimetex("\Longleftrightarrow b^{-1}a \in H");~
&mimetex("\Longleftrightarrow b^{-1}(a^{-1})^{-1} \in H");~
&mimetex("\Longleftrightarrow Ha^{-1} = Hb^{-1}");

よって、左剰余類の集合の元aHに対して、右剰余類の集合の元HaSUP{-1};を対応させると、これは全単射になる。

したがって、左剰余類の集合の濃度と右剰余類の濃度は一致する。 □
#divid(e,proof)


**有限群・部分群の位数と部分群の指数との関係 [#efb8b5eb]

#divid(s,thorem)
[定義]指数~
G:有限群、H:Gの部分群とするとき、Hの左剰余類の集合の濃度を''GにおけるHの指数''といい、|G:H|で表す。
#divid(e,thorem)

#divid(s,notice)
[例]|G:{e}|=|G|、|G:G|=1
#divid(e,notice)

#divid(s,thorem)
[定理]ラグランジュの定理~
G:有限群、H:Gの部分群とする。~
このとき、|G|=|G:H|・|H|が成り立つ。
#divid(e,thorem)

#divid(s,thorem)
[系]~
G:有限群、H:Gの部分群とする。~
このとき、Hの位数はGの位数の約数である。即ち、|G|||H|が成り立つ。
#divid(e,thorem)

#divid(s,notice)
[補足]位数が素数である群は真部分群を持たない巡回群である。 ◇
#divid(e,notice)

#divid(s,thorem)
[系]~
G:有限群とする。~
∀a∈Gにおいて、aの位数はGの位数の約数である。即ち、|a|||G|が成り立つ。
#divid(e,thorem)

#divid(s,proof)
[証明]aによって生成されたGの巡回部分群<a>を考える。~
[系]「|G|||H|」より、<a>はGの部分群なので、|<a>|は|G|の約数である。~
また、[定理]「∀a∈G:|<a>|=|a|」が成り立つ。|
よって|a|は|G|の約数である。 □
#divid(e,proof)

#divid(s,thorem)
[系]~
G:有限群とする。~
「|G|=n」⇒「∀a∈G, aSUP{n};=e」
#divid(e,thorem)

#divid(s,proof)
[証明]ここで、|a|=mとおく。~
[系]「|a|||G|」より、∃l∈Z, n=mlを満たす。~
aSUP{n};=aSUP{ml};=(aSUP{m};)SUP{l};=eSUP{l};=e □
#divid(e,proof)

この系はn回演算すると、必ず単位元に一致することを意味する(ただし、n回演算しなくても、単位元に一致する可能性がある)。

この系を[[既約剰余類群]]&mimetex("\mathbb{Z}_{n}^{*}");に適用すると、[[オイラー規準]]と対応している。



*参考文献 [#c872b971]

-『応用代数学入門』
-『群・環・体入門』