このページをはてなブックマークに追加このページを含むはてなブックマーク このページをlivedoor クリップに追加このページを含むlivedoor クリップ
  • 追加された行はこの色です。
  • 削除された行はこの色です。
  • 特許法 へ行く。

*目次 [#p34d6dfc]

#contents


*特許法の保護対象 [#baf94bd4]

-保護対象の例
--コンピュータプログラム
--薬の製造方法
---物の製造方法は、特許法の保護対象である発明に該当する。
-保護対象にならない例
--ゲームのルール
---人間の取り決めであり、自然法則を利用した技術的思想の創作ではない。
--歯科医師が行う治療法
---人道的な見地から特許法の保護対象としていない。特許法29条1項にいう「産業上利用できる発明」に該当しない。
---[補講]現在では世界各国で、医師の医療行為は特許法の治外法権的地位を得ている。その保護方法は2つに分かれる。「特許を与えないか」、「与えても医師による行為は侵害ではないと除外するか」である。日本では前者の特許を与えない方式を取っている。


*特許権の消滅 [#nc118d1a]

 特許権は次の6つの理由で消滅する。

+存続期間の満了
--出願日から20年で消滅する。
+特許料の不納
--一定期間の追納制度もある。
+特許権の放棄
--実施権が存在するときは、実施権者の承認が必要である。
+特許無効審決の確定
--特許権はなかったことになる。つまり、遡及的消滅。
+特許権の相続人がいない場合
--民法上は相続人がいない相続財産は国庫に帰属する。しかし、特許権の場合は、一般に開放する方が特許法の目的に叶うので特許権は消滅する。
+特許権の乱用が行われた場合
--[[独占禁止法]]に該当するとき。


**特許権を永続化する [#g2a02a4d]

 特許権者にとって、存続期間満了で消えるのは悔しいだろう。それは使用中であり、消滅の間際が一番儲かっている時期のことが多いからである。そこで、特許権の存続期間を延ばす方法を考える。

 結論から言うと、存続期間を延ばすには改良発明を次々に出願すればよいのである。これは他人に改良発明を取られてしまうと厄介になるということも意味している。必死の努力で自社で改良発明を取るべきである。こうすることで、その業界を長期的に支配することができる。


*修理と延命 [#w477da12]

 特許物である機械の寿命とされる期間内を稼働させるための「修理」は、寿命を延ばさないので、侵害にならない。しかし、寿命そのものを延ばしてしまう行為は、単に「修理」するのとは異なり、新たに特許機械を「製造」するのと同じだから、侵害に当たる。


*補償金請求権 [#wb94ace3]

 出願公開から特許権の登録までの間に、第三者により発明が使われた場合に、出願人である特許権者は、補償金を請求できる権利である。

 まず、補償金請求権を発生させるには、警告書を相手に送付する必要がある。この警告を発すると、特許になった場合、警告を発した時点からの損害を賠償請求することができるのである。しかし、この警告書の送付は、出願が公開された後ででないとできないが、急ぐ場合は「早期出願公開の請求」も可能である。


*早期審査制度 [#u4d8a7a7]

 一般的には、特許庁では出願審査請求がされた順番で審査することとしている。この一般審査では特許出願から2年以上経たないと特許権が発生しない。

 ところが、優先順位を上げることができる早期審査も存在する。この早期審査では特許出願から3ヶ月弱で特許権が発生する。この早期審査がどんなときに使えるのかというと、次の場合が挙げられる。

-出願人が、中小企業または個人であるもの(個人・中小企業関連)
--つまり、中小企業あるいは個人は問題なくこの制度の対象になる。
-出願人等がその出願に係る発明を実施している場合(実施関連出願)
-出願人がその発明を外国にも出願している場合(外国関連出願)
-出願人が大学や技術移転機関(承認TLOなど)であるもの(大学・TLO関連)

 早期審査のメリットは特許権を得るのが早いという点である。しかし、デメリットもある。審査係属機関が極めて短いため、補正期間が短くなってしまい、傷のある特許のまま成立してしまうことがある(分割出願を残すことである程度の手当てが可能)。

[補講]この早期審査制度は、意匠・商標制度にも適用される。


*紛争 [#z01efcf2]

 紛争の解決手続きは、主に裁判制度を使うか、ADR(裁判外紛争解決)制度を使うかの2通りに分けられる。

**裁判制度 [#l7bf1e15]

 裁判制度では「和解」での解決が8〜9割である。和解のメリットとデメリットは次の通りである。

-メリット
--特許権が無効となる危険を回避可能
--事件以外の周辺問題も巻き込んだ解決が可能
-デメリット
--「和解」という字面が敬遠される。

**ADR [#b6ba3af0]

 ADRとは、裁判以外の方法による紛争解決手続きのことである。調停・仲裁・相談・斡旋などがある。

 ADRの特徴は次の通りである。

-非公開性
--ADRは非公開で行われるため、当事者の営業秘密などを保護でき、秘密裏に解決できる。
-専門性
--当事者がその分野の専門知識を有する人を調停人・仲裁人などに選定でき、より緻密な検討が可能である。
-柔軟性
--例えば、当事者が合意すれば業界の慣例などを解決基準にできる。これにより、一般法にとらわれず、現状に沿ったきめ細かい建設的な解決ができる。
-迅速性・低兼性
--事案や当事者の好む適切な方法を選定できるので、裁判に比べ、時間と費用の節約ができる。


*参考文献 [#abd7cd3b]

-『ビジネスコンプライアンス検定試験公式テキスト<初級> 第2版』
-『「知財IQ」をみがけ!』