このページをはてなブックマークに追加このページを含むはてなブックマーク このページをlivedoor クリップに追加このページを含むlivedoor クリップ

*目次 [#wf5aec4a]

#contents

*鳳・テブナンの定理 [#gfe807ee]

-=テブナンの定理
-=等価電圧源定理
-鳳【ほう】・テブナンの定理は、直流回路網でも交流回路網でも使える。
-鳳・テブナンの定理は、回路網中に新しい枝路を接続するときに、電流を求める場合に効力を発揮する。

#divid(s,thorem)
[定理]鳳・テブナンの定理~
電源が含まれたある線形回路(ブラックボックス)から出ている端子a-b間に、インピーダンス&mimetex("\dot{Z}");が接続されている。~
このとき、回路から出ている端子間の開放電圧&mimetex("\dot{V}_0");と、回路内の電源を0としたときの回路のインピーダンス&mimetex("\dot{Z}_0");が求まれば、それら2つの量を用いることで、ブラックボックスを簡単な等価回路に置き換えることができる。

#img(http://security2600.sakura.ne.jp/main2/image4/ho-.png)
#img(,clear)

開放電圧&mimetex("\dot{V}_0");とは、端子a-b間に何も負荷を接続しなかったときの電圧のことで、回路内部の電源を0にするということは、電圧源であれば短絡し、電流源であれば開放するということを指す。~
電源を0にした状態では、端子a-b間はインピーダンスのみで構成されているので、それらの合成インピーダンスを求めれば、ここでいうインピーダンス&mimetex("\dot{Z}_0");が求められる。~
この2つの量、&mimetex("\dot{V}_0");と&mimetex("\dot{Z}_0");が既知の状態で、端子a-b間に負荷&mimetex("\dot{Z}");を接続したとき、負荷&mimetex("\dot{Z}");に流れる電流&mimetex("\dot{I}");は、次の式で求めることができる。~
&mimetex("\dot{I} = \frac{\dot{V}_0}{\dot{Z}_0 + \dot{Z}}");~
鳳・テブナンの定理によって求められる等価回路は次の通りである。

#img(http://security2600.sakura.ne.jp/main2/image4/ho-2.png)
#img(,clear)
#divid(e,thorem)

#divid(s,proof)
[証明]次のように、端子a-b間の開放電圧&mimetex("\dot{V}_0");と同じ大きさの電圧源を端子a-bの外側に負荷&mimetex("\dot{Z}");と直列に接続する。

#img(http://security2600.sakura.ne.jp/main2/image4/ho-3.png)
#img(,clear)

このとき、負荷にかかる電圧を&mimetex("\dot{V}");とすると、端子a-b間において電圧・起電力の関係は、次のようになる。

&mimetex("\dot{V}_0 =\dot{V}_0  + \dot{V}"); (左辺の&mimetex("\dot{V}_0");は端子の開放電圧、右辺の&mimetex("\dot{V}_0");は電圧源による起電力)~
&mimetex("\dot{V} = 0");

これは、負荷での電圧降下がないことを意味する。~
つまり、負荷には電流が流れていないこと、即ち&mimetex("\dot{I}_1=0");である。

この回路について、[[重ねの理]]を適用すると、次のように2つの回路に分けることができる。

#img(http://security2600.sakura.ne.jp/main2/image4/ho-4.png)
#img(,clear)

(a)の回路は、端子a-b間の外側に接続された電源を除去した回路である。~
この回路は、定理内で説明した最初の回路そのものである。~
つまり、この回路に流れる電流&mimetex("\dot{I}_2");が、鳳・テブナンの定理でいう電流&mimetex("\dot{I}");になる。

(b)の回路は、線形回路内部にある電源を除去した回路である。~
鳳・テブナンの定理の定理の条件に、線形回路内部の電源を0としたときの回路のインピーダンス&mimetex("\dot{Z}_0");が与えられているので、この回路を書き換えると、次のようになる。

#img(http://security2600.sakura.ne.jp/main2/image4/ho-5.png)
#img(,clear)

これは単純な直列接続の回路なので、次が得られる。

&mimetex("\dot{V}_0 = \dot{I}_3 (\dot{Z}_0 + \dot{Z})");~
&mimetex("\dot{I}_3 = \frac{\dot{V}_0}{\dot{Z}_0 + \dot{Z}}");

重ねの理により、電流は次のように計算できる(電流の向きを考慮する)。

&mimetex("\dot{I}_1 = \dot{I}_2 - \dot{I}_3");~
&mimetex("0 = \dot{I}_2 - \frac{\dot{V}_0}{\dot{Z}_0 + \dot{Z}}"); (∵&mimetex("\dot{I}_1 =0,\dot{I}_3 = \frac{\dot{V}_0}{\dot{Z}_0 + \dot{Z}}");)~
&mimetex("\dot{I}_2 = \frac{\dot{V}_0}{\dot{Z}_0 + \dot{Z}}");~
&mimetex("\dot{I} = \frac{\dot{V}_0}{\dot{Z}_0 + \dot{Z}}"); (∵電流&mimetex("\dot{I}_2");は、鳳・テブナンの定理の定理でいう電流&mimetex("\dot{I}");であるから) □
#divid(e,proof)

*鳳・テブナンの定理を用いた解法 [#cbedc0f1]

#img(http://security2600.sakura.ne.jp/main2/image4/tebunan1.png)
#img(,clear)

1:RSUB{1};を繋ぐ前の端子電圧VSUB{ab};(=ESUB{0};)を求める。この電圧を''開放端起電力''という。

2:回路の中の起電力をすべて短絡した場合に、ab端子から見た合成抵抗(内部抵抗)を計算する。

#img(http://security2600.sakura.ne.jp/main2/image4/tebunan2.png)
#img(,clear)

&mimetex("R_0 = \frac{R_1 R_2}{R_1 + R_2}");

3:次のようにVSUB{ab};とRSUB{0};が繋がれたものとみてよい。

#img(http://security2600.sakura.ne.jp/main2/image4/tebunan3.png)
#img(,clear)

&mimetex("I=\frac{V_{ab}}{R_0 + R}");

*練習問題 [#ubf47016]

#divid(s,proof)
[問]次の回路のIを求めよ。

#img(http://security2600.sakura.ne.jp/main2/image4/toi1-1.png)
#img(,clear)

[ヒント1]鳳・テブナンの定理の解法を用いる。

[ヒント2]真ん中の抵抗2Rを枝路として扱う。

[解答]真ん中の抵抗2Rを枝路として扱い、鳳・テブナンの定理の解法を用いる。

1:a-b間の電圧VSUB{ab};を計算する。

#img(http://security2600.sakura.ne.jp/main2/image4/toi1-2.png)
#img(,clear)

 青色の部分がその地点での電圧である。~
 上と下の抵抗は同一値であるため、b地点での電圧は2Eとわかる。

 VSUB{ab};は次のように計算できる。

&mimetex("V_{ab}=V_a - V_b = 3E - 2E = E");

2:電源を短絡させた場合の(a-bから見た)RSUB{0};を計算する。

#img(http://security2600.sakura.ne.jp/main2/image4/toi1-3.png)
#img(,clear)

&mimetex("R_0 = \frac{3}{2} R");

3:鳳・テブナンの定理より、次のように計算できる。

&mimetex("I");~
&mimetex("=\frac{V_{ab}}{2R+R_0}"); (∵鳳・テブナンの定理)~
&mimetex("=\frac{E}{2R + \frac{3}{2}R}");~
&mimetex("=\frac{2E}{7R}"); ◇
#divid(e,proof)

#divid(s,proof)
[問]次の回路において、コンデンサに流れる電流を求めよ。

#img(http://security2600.sakura.ne.jp/main2/image4/toi2-1.png)
#img(,clear)

[解答]

1:a-b間の開放電圧&mimetex("\dot{V}_0");を求める。

&mimetex("\dot{V}_0");~
&mimetex("=\frac{\dot{Z}_2}{\dot{Z}_1 + \dot{Z}_2} \dot{E}"); (∵&mimetex("\dot{V}_0");は、コンデンサ&mimetex("\dot{Z}_3");を接続していない状態での抵抗&mimetex("\dot{Z}_2");にかかる電圧に等しいので、分圧の法則を用いる)~
&mimetex("=\frac{4}{4+j2} 5");~
&mimetex("=\frac{4(4-j2)}{(4+j2)(4-j2)} 5"); (∵分母の有理化)~
&mimetex("=\frac{4(4-j2)}{16+4} 5"); (∵jSUP{2};=-1)~
&mimetex("=4-j2");

2:回路の電源を0(短絡)としたときの端子a-bから見た回路のインピーダンス&mimetex("\dot{Z}_0");を求める。

&mimetex("\dot{Z}_0");~
&mimetex("=\frac{1}{\frac{1}{\dot{Z}_1}+\frac{1}{\dot{Z}_2}}");~
&mimetex("=\frac{\dot{Z}_1 \dot{Z}_2}{\dot{Z}_1 + \dot{Z}_2}");~
&mimetex("=\frac{(j2)(4)}{2j+4}");~
&mimetex("=\frac{j8}{4+2j}");~
&mimetex("=\frac{j8(4-2j)}{(4+2j)(4-2j)}"); (∵分母の有理化)~
&mimetex("=\frac{j8(4-2j)}{16+4}"); (∵jSUP{2};=-1)~
&mimetex("=\frac{4+j8}{5}");

3:鳳・テブナンの定理より、コンデンサ&mimetex("\dot{Z}_3");に流れる電流は、次の等価回路を考え、次のように計算できる。

#img(http://security2600.sakura.ne.jp/main2/image4/toi2-2.png)
#img(,clear)

&mimetex("\dot{I}");~
&mimetex("=\frac{\dot{V}_0}{\dot{Z}_0 + \dot{Z}_3}");~
&mimetex("=\frac{4-j2}{\frac{4+j8}{5} - j}");~
&mimetex("=2-j4"); ◇
#divid(e,proof)

#divid(s,proof)
[問]次の回路のAB間の電流Iを求めよ。

#img(http://security2600.sakura.ne.jp/main2/image4/toi3-1.png)
#img(,clear)

【電験3種】

[解答]

1:AB間を接続する前のAB間の電圧VSUB{AB};は、点Aと点Bの電位差で求められる。

&mimetex("V_{AB}");~
&mimetex("=V_A - V_B");~
&mimetex("=\frac{R_3}{R_1 + R_3} E - \frac{R_4}{R_2 + R_4} E"); (∵分圧の法則より、&mimetex("V_A=\frac{R_3}{R_1 + R_3} E, V_B=\frac{R_4}{R_2 + R_4} E");)~
&mimetex("=(\frac{3}{4} - \frac{4}{6})255");~
&mimetex("=\frac{255}{12} \, \[V\]");

2:AB開放端から見た合成抵抗RSUB{AB};は、次のように求められる。~
 このとき、回路網中の電圧源は短絡させる。

&mimetex("R_{AB}");~
&mimetex("=\frac{R_1 R_3}{R_1 + R_3} + \frac{R_2 R_4}{R_2 + R_4}");~
&mimetex("=\frac{3}{4} + \frac{8}{6}");~
&mimetex("=\frac{25}{12} \, \[\Omega\]");

3:鳳・テブナンの定理より、電流は次のように求められる。

&mimetex("I");~
&mimetex("=\frac{V_{AB}}{R_{AB}+R_{5}}");~
&mimetex("=\frac{\frac{255}{12}}{\frac{25}{12} + 5}");~
&mimetex("=\frac{255}{25+60}");~
&mimetex("=\frac{255}{85}");~
&mimetex("=3 \, \[A\]"); ◇
#divid(e,proof)

*参考文献 [#g06177d2]

-『図解 はじめて学ぶ電気回路』